アトリエシムラの着物
源流である染織家 志村ふくみ・志村洋子の技術や美意識を継承しつつ、アトリエシムラならではの着物を目指し一点一点作っています。
青藍(せいらん)
およそ2カ月をかける藍染めの、一番元気の良い頃の藍で染めています。濃い色の中にも爽やかさや若々しさを感じられます。藍は、古代から日本人の暮らしのそばにあった植物。時間の経過とともに馴染んでいき、人生をともに歩んでくれる色でもあります。アトリエシムラでは月の満ち欠けに沿って藍染めをします。自然の神秘を肌で感じていただける着物です。
銀鼠(ぎんねず)
グレーは茶と並んで最も粋な渋好みの色です。樫(かし)や百日紅(さるすべり)などの枝葉、団栗のイガや実の皮、枝葉などから染められます。草木染めから生まれるグレーの色は数えきれないほど。これが「四十八茶百鼠(しじゅうはっちゃひゃくねずみ)」という言葉の所以です。だからこそ「この色!」という色に出会えるのは運命的とも言えます。ぜひ、ご自身のグレーに出会っていただければと思います。年齢や性別を問わず纏えることのできる着物です。
桜花(おうか)
桜の花びらのような淡桃色は、桜だけでなく梅、冬青(そよご)などの幹や枝からも染められます。じっくり炊き出した香り高い染液で染めると、ほのかな色となります。日本の春を代表する樹木として平安時代から鑑賞されてきた桜。優しい淡桃色を纏うと、まるで桜を愛でているかのように温かい春の訪れを感じられるのではないでしょうか。品格がありながら女性らしさを引き立たせさせてくれる、大切なハレの日にふさわしい着物です。
植物の生命からいただいた色で染めた糸。
自然から与えてくれる美しさを肌でも感じることができます。
すべての色糸は草木染めによるものです。根や枝、葉など植物の生命からいただいた色を、手作業で染めています。柔らかく繊細な色合いは草木染めならでは。季節や気候によっても影響を受けるため、色は作り手にとって、またお客さまにとっても一期一会です。自然が与えてくれる美しさを、目だけでなく肌でも感じていただけるはずです。
経と緯の織りなす景色。
「色無地」はアトリエシムラの制作の中心です。
この色糸を、人の手によって機で織りあげています。経糸(たていと)には蚕の繭からいただいた艶やかな絹糸を、緯糸(よこいと)には柔らかく風合いの良い紬糸(つむぎいと)を配します。制作の中心となるのは色の美しさが一番生きる「色無地(いろむじ)」です。一本の糸にも妥協することなく織りすすめ、よく見るとわかるほどの縞や色の濃淡をつけていきます。すると、柄のない着物の中に繊細な景色が立ち上がります。単純だからこそ、手織りの特徴が余すところなくあらわれる。織り手が最も試される。それがアトリエシムラにとっての「色無地」です。
アトリエシムラの訪問着。
自分だけの着物をお楽しみください。
訪問着としてふさわしい、ぼかしあげ、絣、大市松などの絵羽模様もおつくりしています。ぜひ、ご自身の感性を大切に着物を選び、楽しんでください。アトリエシムラはいつでもそのお手伝いをしたいと思っています。
「特別な日に何を着よう」と思い巡らせるとき、着物がその選択肢のひとつになれたら。それが今のアトリエシムラの願いです。
お見立てのご案内
アトリエシムラでは、お客様に実際に目で見て、纏って、ご自身だけの着物に出会っていただくために、お見立てを承っております(参考価格 40万円~)。また、それぞれの着物にあったコーディネイトやお誂えなどのご相談も承っております。着物が初めての方もお気軽にお声がけください。