【企画展】アトリエシムラ7周年記念「色への祝祭 − 青い花」
今年の記念展は「青い花」をテーマとしています。このテーマは、ドイツ初期ロマン派の詩人ノヴァーリス(1772-1801)が書き残した未完の小説『青い花』をイメージしたものです。「青い花」は無限なるものへの憧れを象徴しているのですが、日本の「藍」もまた精神性の高い色として大切にされてきました。
ノヴァーリスにとって、「詩(ポエジー)」とは、目には見えない精神の世界、神秘の世界を、目に見える形で表現することでした。私たちの染織もまた、目に見えない心象風景を草木の生命の色で表現することにあります。これは奇しくもドイツロマン派の芸術観と非常に共鳴すると感じています。
「世界はロマン化されねばならない。そうすれば根源的な意味をもう一度見出すことができよう」というノヴァーリスの言葉がありますが、「世界をロマン化する」とは、私たちが近代において失われた世界の根源的意味を再発見する営みに他なりません。私たちも染織を通じて自然と交感し、自然の背後にある世界を表現できればと願っています。
「色への祝祭 − 青い花」展、ぜひご高覧いただければ幸いです。
【京都展】
日時 11月3日(金・祝)〜11月14日(火)12:00~18:00 ※水曜・木曜定休、祝日は営業
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 京都本店
600-8018 京都府京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 壽ビルディング2F
お問い合わせ tel : 075-585-5953 mail : info@ateliershimura.co.jp
【東京展】
日時 12月1日(金)〜12月3日(日)11:00~17:00 ※水曜・木曜定休
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 東京・成城
157-0066 東京都世田谷区成城2-20-7
お問い合わせ tel : 03-6411-1215 mail :info@ateliershimura.co.jp
〈7周年記念企画関連イベント〉
【東京・成城】特別ワークショップ「木香薔薇を染める」
アトリエシムラの7周年を記念して、特別な染料での糸染めをご用意いたしました。今回の染料は木香薔薇(もっこうばら)。春から初夏に、黄や淡黄色の可愛らしい花をたわわに咲かせる植物です。品のある薔薇の色と共に、深まる秋の休日をお楽しみください。
日時 11月3日(金・祝)、4日(土)、5日(日)各日10:00〜16:00
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 東京・成城
参加費 16,500円(材料費・税込)
定員 各回6人
©︎mamikonaito
【京都本店】特別トークイベント「想いを色彩で表現する」
内藤麻美子(色彩作家) × 志村昌司(アトリエシムラ代表 )
アトリエシムラ7周年を記念して、色彩作家の内藤麻美子(ないとうまみこ)さんをお招きし、トークイベントを開催いたします。内藤麻美子さんは、自然の素材から生まれる伝統的な日本画の顔料を使用して、和紙に広がる多様な色彩の表情を、心の動きにみたてて、制作をされています。色彩と言葉による心の表現について、作品鑑賞や実演とあわせてお話をうかがいます。また和菓子店青洋(わがしみせせいよう)さんに、7周年記念展のテーマにあわせて特別に作っていただいた、彩り豊かなお菓子をお土産にご用意しています。
日時 11月5日(日)10:00〜11:30
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 京都本店
参加費 2,750円(税込)和菓子店青洋のお土産付き
定員 15人
内藤 麻美子(ないとう まみこ) 写真 ©️mamikonaito
現代美術家。
神戸生まれ。 親の仕事の関係により、神奈川、愛知、埼玉、千葉、兵庫と様々な地域で育つ。
2006年武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業。同年より都内のグラフィックデザイン事務所に、デザイナーとして勤務。
2009年ロンドンへ留学 Central Saint Martins College of Art and DesignにてPrint making, Experimental Painting コース修了。
2012年から京都に拠点を移し、色彩作家としての活動を開始。
2013年度から京都芸術大学(旧京都造形芸術大学)の講師に就任。
https://www.mamikonaito.com/
志村 昌司(しむら しょうじ) 写真:上杉遥
京都市生まれ。紬織の人間国宝・志村ふくみの芸術精神を継承する
染織ブランド・アトリエシムラ代表。芸術学校アルスシムラ特別講師。
京都大学法学研究科博士課程修了。
2018年、2021年の二度にわたって新作能「沖宮」(石牟礼道子原作)プロデュース。
2022年、オリジナル手織機hatariでグッドデザイン賞受賞。
著書に『草木の聲』(京都新聞出版センター)、『夢もまた青し』(河出書房新社)など。
和菓子店 青洋(わがしみせ せいよう)
店主 青山洋子(あおやまひろこ)。滋賀大学教育学部美術教員養成課程を卒業後、京都製菓技術専門学校で学ぶ。
その後、有職菓子御調進所老松にて販売や製造を経験、2012年に和菓子店青洋を立ち上げる。
お誂えの和菓子の製作や和菓子教室を主軸としながらも教育機関での講演、ワークショップ、展覧会の企画等、和菓子に関わる様々な物事を行っている。
https://wagasiseiyou.com/
【東京・成城】特別トークイベント「再び民藝について考える」
鞍田崇(哲学者)×志村昌司(アトリエシムラ代表)
日時 2024年1月8日(月・祝)14:00~15:30
会場 アトリエシムラ Shop & Gallery 東京・成城
参加費 1,650円(税込)
定員 20人
鞍田 崇 (くらた たかし)
哲学者。1970年兵庫県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科修了。現在、明治大学理工学部准教授。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、現代社会の思想状況を問う。著作に『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』(明治大学出版会 2015)など。民藝「案内人」としてNHK-Eテレ「趣味どきっ!私の好きな民藝」に出演(2018年放送)。
http://takashikurata.com/