アトリエシムラ企画展「夏の色 − しむらの藍と琉球藍」
後期「琉球藍と八重山藍」
深く、どこまでも澄み渡る沖縄の藍。その色は、私たちを魅了してやみません。染織家・志村ふくみもまた、その美しさに強く憧れ、幾度となく沖縄を訪れました。
民藝運動の指導者、柳宗悦はかつて沖縄の藍を「世界の色」と讃え、こう書き記しています。
「紺⾊の藍は⾊の王者です。どんなに染めても、濃くとも薄くとも悪い⾊であったためしがなく、光に強く擦れに強く、洗えばますます味を出すこの⾊を、誰も愛し好んだのは当然です。こんなにも美しいまた重実な⾊はないでしょう。東洋第⼀の⾊と讃えねばなりません。いな、世界の⾊と呼ばれるべき⽇がくるでしょう。」
—柳宗悦『芭蕉布物語』より
この「世界の色」を今に伝え、それぞれの土地で真摯に藍と向き合う作り手の方々がいます。本企画展では、沖縄本島で琉球藍の栽培から染色まで一貫して手がける琉球藍研究所、石垣島で八重山藍の可能性を追求する島藍農園、そして久米島で古より受け継がれる手仕事を守り続ける久米島紬の皆様をお迎えし、展示販売会を開催いたします。
土地の恵みと人々の祈りが込められた、力強くも優しい藍の色。沖縄の風土が生んだすばらしい手仕事を、どうぞご高覧ください。
▪️展示内容
「琉球藍と八重山藍」をテーマに、それぞれのブランドの特色ある作品、商品(着物、帯、小物、洋服など)を展示・販売します。各ブランドの背景や、染料・製法についてもご紹介いたします。
琉球藍研究所(沖縄本島)
沖縄本島を拠点に、「文化の継承」という強い使命感を胸に、畑を耕し、琉球藍を育て、染料を作り、染め上げるまで、その全工程を一貫して手掛けます。化学染料では決して表現できない独特の風合いと色の深みを「RYUKYU BLUE®」と名付け、その可能性を探求。「今だからこそ、自分たちがやるべきこと」という信念のもと、原料から育てるという原点に立ち返り、沖縄の伝統である琉球藍の未来を切り拓いています。
https://ryukyu-indigo-labo.jp/
島藍農園(石垣島)
沖縄本島からさらに南、石垣島の豊かな自然の中で、マメ科の藍植物「ナンバンコマツナギ」を育てることから島藍農園のものづくりは始まります。夏には収穫と沈殿藍の製造に奔走し、台風の襲来に一喜一憂しながら、自然と共に染料を生み出します。そうして作り貯めた貴重な藍を使い、一年を通して染め作業を行う日々。島の光と風、そして作り手の丁寧な手仕事から、力強くも優しい、南の島の藍色が生まれます。
https://shimaai.com/
久米島紬事業協同組合(久米島)
撮影者:糸数奈那恵
500年以上の歴史を持ち、「日本の紬の発祥の地」と謳われる久米島。その伝統は、蚕を育てて糸を紡ぎ、島の豊かな草木や泥で染め、一糸一糸を手で織り上げるという、一貫した手作業によって今に受け継がれています。国の重要無形文化財にも指定されるその技法は、日本の絣文化の源流となりました。作り手の想いが込められた久米島紬は、しなやかな風合いと気品をまとい、着る人を優しく包み込みます。
https://www.kume-tumugi.com/
▪️開催概要
日時 8月1日(金)〜 26日(火)12:00〜17:30 水曜・木曜定休
会場 アトリエシムラ Gallery&School 東京・世田谷
東京都世田谷区祖師谷6-17-7
展示販売内容 着物、ストール、服飾、裂小物など
お問い合わせ tel:03-6411-1215 mail:info@ateliershimura.co.jp
*アトリエシムラのインスタグラムアカウントをフォローしてくださった皆様に藍の種をプレゼントいたします。
〈企画展関連イベント〉
■特別オンライントーク
企画展後期「琉球藍と八重山藍」の開催に寄せて、アトリエシムラ代表志村昌司と琉球藍研究所 、島藍農園、久米島紬、それぞれのDeep TalkをYouTubeにて配信いたします。ぜひご覧ください。トークは随時アップいたします。
オンライントークはこちら
〈8月前半開催 藍の生葉染めワークショップ〉
8月前半は藍の生葉を染めるワークショップを開催いたします。今回は、夏に勢いを増す藍のフレッシュ葉をちぎって揉み出し、爽やかな水色を染めます。 この時期にしかいただけない、夏の恵みの色を、企画展と合わせてお楽しみください。
染めの半日コースの詳細はこちら
染めと織りの1日コースの詳細はこちら