絵本『藍染めのアポレンカ』(求龍堂)の出版を記念して、伝統的なチェコの藍染めを日本に紹介するブランド・ヴィオルカの動植物がモチーフとなった可憐な13種類の布をメートル売りで展示販売いたします。

 

1.雨粒 

小さな雨粒を、ふぞろいに連ねて表現した文様で、伊勢型紙などの染色用の型紙を使って染める小紋の文様に代表的な「霰(あられ)」文様に共通する自然現象の図案化が垣間見えます。

 

2.かたつむり

大小の真鍮のピンの丸い点をつなげて、らせん状にし、かたつむりの殻を非常に単純化し表現した美しい文様。

 

3.粉ひきの水車

水を受けていきよいよく回転する粉ひきの小屋の水車を図案化したもの。俗に波頭を図案化したといわれる、丸い頭から尾を長く引いた曲線を表した「巴(ともえ)」文様にとてもよく似ています。 

 

4.ウィーンの小さな花

1918 年のチェコスロヴァキア建国まで帝国の首都であったウィーンの都市名を冠した花模様。簡素で心地よい生活を志向した 19 世紀前半のオーストリアやドイツの時代の息吹を反映しているかもしれません。

 

 5.小さなリース

小さな花をつなげた花輪を規則正しく配列した文様。円形や円形状のリース文様は、太陽を象徴するモティーフとして、人々が好んで飾り模様として使い、生活を彩ってきたものです。 

 

 6.麦

 麦をはじめとする穀物は、古代ローマ時代から「豊穣」「多産」のシンボルで、すでに古代ローマ時代には、焼菓子が祝い事には欠かせなかったといいます。チェコでも祝日や晴れの日には、ジャガイモや黒パンの代わりに白い小麦粉を使ったお菓子を焼きました。

 

7.いもむし

小枝の小さな葉を食べて大きくなるいもむしをかわいらしく表現したパターンで、やがてさなぎから美しい蝶となる生命の神秘を表しているのかもしれません。

 

 8.オルシェニツェの小さな花

 工房のあるオルシェニツェの名を冠した、この地方で最も好まれた花模様で、工房を代表するパターン。花と曲線を引いて花から伸びるつるを図案化したもの。つつましいながらも華やかさのあるこの文様はいままで多くの女性から好まれたのでしょう。

 

9.へび

うららかな春の日、草原を体をくねらせて進むへびの様子をとらえ、図案化した文様。ところどころに小さな植物の葉が配されています。へびのモティーフは、人々の間では魔除けを意味するものとして使われていました。

 

10.主の祈り

 カトリック教会の数珠、ロザリオを図案化した文様で、キリスト教の最も代表的な祈祷文である「主の祈り」の名を冠しています。チェコは三十年戦争を経てカトリックの勢力内に入ったことで、その信仰が人々の生活に深く根を下ろしました。

 

 11.なめくじ

大きな木の幹から春になると伸びてゆく若い枝が差し出た様子を表したといわれている文様の木型が、他の工房にも存在していますが、ここではなめくじと名前を変えて呼ばれています。なめくじが這ったようなくねくねとした跡を指しているのでしょう。

 

12.はと

 大変細かい真鍮製のピンをびっしりと打ち込んだとても複雑で繊細な文様です。細かな点の中に、二羽のはとが寄り添って羽ばたく様子を表現しています。はとは、誠実さ、忠誠心、貞節を象徴します。

 

13.小花と裾飾り

小花をクロスさせた文様と裾飾り文様を組み合わせたもの。藍染めはスカートやエプロンに仕立てることが多かったため、裾を飾る帯状の文様が数多く作られました。その原型は会場に展示されている刺繍のエプロンに見られるようなボビンレースによる裾飾りです。

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