
アトリエシムラ企画展「辻村唯 ― 自然釉の世界」のご案内
このたび、アトリエシムラ東京世田谷では、奈良の豊かな自然に囲まれた地で制作されている陶芸家・辻村唯さんをお招きし、陶器とアトリエシムラの裂の企画展を開催いたします。
辻村唯さんの父は、日本を代表する陶芸家・辻村史朗さんです。史朗さんは特定の師を持たず独自の道を切り開き、その力強く自由闊達な作風で国際的にも高く評価されています。唯さんはその薫陶を受けながらも、自らの感性と響き合う日本の古陶に強く魅せられていきました。
唯さんが心を奪われたのは、日本の焼き物の原点である「須恵器」や「山茶碗」でした。これらの原初的な美しさを追求するため、唯さんは山の斜面などを利用して築かれる原始的な構造の窯、「穴窯(あながま)」で焼成します。その際、人為的に釉薬(うわぐすり)を施すことはありません。焼成の過程で燃料となる薪の灰が作品に降りかかり、それが高温で溶けることでガラス質へと変化する「自然釉(しぜんゆう)」の技法を追求しています。
窯の中で生まれる偶然の表情。自然釉が放つ鮮やかな緑、そして溶けた釉薬が溜まった部分(釉溜まり)が見せる深々とした青は、息をのむような魅力に満ちています。
唯さんの自然釉とアトリエシムラの草木の色。いずれも自然の恵みからいただいた尊い色です。自然がもたらす「偶然」によって生まれる作品は、一つとして同じものはありません。自然への畏敬の念を抱き、土と向き合い、すべてご自身の手で作陶されている辻村さんの真摯な制作姿勢には、深く心が打たれます。
自然の恵みから生まれた、生命力あふれる作品をぜひご覧いただければ幸いです。
日時 11月28日(金)〜12月16日(火)12:00〜17:30
水曜・木曜定休
会場 アトリエシムラ Gallery&School 東京・世田谷
東京都世田谷区祖師谷6-17-7
展示販売内容 茶盌、花器、うつわなど
作家在廊日 11月28日(金)〜30日(日)
お問い合わせ tel: 03-6411-1215 mail: gallery@ateliershimura.co.jp
詳細はこちら