• 【筬】

    竹の薄片を櫛の歯のように並べ、枠をつけたもの。織物の幅と経糸(たていと)を整え、杼(ひ)で打ち込まれた緯糸(よこいと)を押さえて織り目の密度を決める道具。金属製のものもある。

  • 【綜絖】

    緯糸(よこいと)を通すために経糸(たていと)を上下に開く用具。

  • 【経巻】

    経糸を整えて機の部品に巻きつけること。

  • 【先染め】

    糸を織物に仕上げる前に染色すること。

  • 【帯締め】

    結んだ帯が崩れないように帯の上から締める紐のこと。

  • 【帯揚げ】

    女性が帯を結ぶときに帯枕にかぶせ、前で帯の上端に収めて飾る布のこと。

  • 【裂】

    着物の裁ち残りの裂のこと。

  • 【出袱紗】

    表千家や武者小路千家など、茶道の一部流派において、茶席での拝見や点て出しの際などに用いられる裂布のこと。
    アトリエシムラではお茶道具以外にもお使いいただきたいと思っております。

  • 【古帛紗】

    裏千家など、茶道の一部流派において、茶席での拝見や点て出しの際などに用いられる裂布のこと。
    アトリエシムラではお茶道具以外にもお使いいただきたいと思っております。

  • 【数寄屋袋】

    お茶席に必要な袱紗や懐紙、扇子、楊枝などの小物をまとめて入れる袋のこと。

  • 【飾り紋】

    草花や干支、吉祥文様など好きな文様を刺繍や染めで表現した遊び心のある紋のこと。無地の紬や絵羽柄の紬などお洒落着の飾りとして付ける。洒落紋ともいう。

  • 【手組み】

    機械を使わずに人間の手で組むこと。

  • 【格子】

    縦横の線を格子状に表した文様のこと。

  • 【御朱印帖】

    神社や寺院において、主に参拝者向けに押印される御朱印(印章)を押印し、集めるためのノート。納経帳、集印帳ともいう。

  • 【志村ふくみ】

    1924年生まれ。染織家・随筆家。31歳のとき母・小野豊の指導で植物染料と紬糸による織物を始める。重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化功労者、第30回京都賞思想・芸術部門受賞、文化勲章受章。

  • 【志村洋子】

    1949年生まれ。染織家。「藍建て」に強く心を引かれ、30代から母、志村ふくみと同じ染織の世界に入る。1989年に、宗教、芸術、教育など文化の全体像を織物を通して総合的に学ぶ場として「都機工房(つきこうぼう)」を創設。

  • 【小野豊】

    小野豊(1895−1984)は、 友人であった陶芸家・富本憲吉の妻一枝の影響で、1920年代に始まる柳宗悦の民藝運動と深い関わりをもち、当時その理念を実践していた上加茂民藝協団に参加する。染織家・青田五良から染織の指導を受ける。

  • 【昭和学園】

    1927年に教育者・谷騰が近江八幡に創設した私立小学校。自主性、創造性を重んじる大正新教育運動を実践しようとした。志村ふくみの両親である小野元澄・豊も創設に尽力した。

  • 【柳宗悦】

    柳宗悦(1989−1961)は、美術評論家・宗教哲学者。民芸運動の提唱者として知られる。東京生まれ。父は海軍少将で数学者の柳楢悦(ならよし)。学習院を経て、東京帝国大学文学部心理学科を卒業(1913)。学習院高等科在学中に文芸雑誌『白樺(しらかば)』の創刊(1910)に加わり、同人となる。のち朝鮮の工芸や木食上人(もくじきしょうにん)の彫刻、ブレイクとホイットマンの詩を紹介。大正末期より民芸美論をたて、講演と調査、収集のために日本全国と海外各地を旅行した。志賀直哉(なおや)、武者小路実篤(さねあつ)、河井寛次郎、浜田庄司(しょうじ)、バーナード・リーチらの文学者や工芸家と同志的な交流をもち、民芸運動の普及に努めた。

  • 【民藝運動】

    民衆の間でつくられた日常の生活用具のうち、機能的で健康な美しさをもつ工芸品とその制作活動。民藝とは、民衆による工芸品の略語。下手物(げてもの)とよばれて美術の分野から無視されていた日用雑器に光をあて、手仕事のよさと美的な価値を認めようというもので、大正末期(1920年代)に柳宗悦(むねよし)によって提唱された。

  • 【上加茂民藝協団】

    1927年、民藝運動の指導者だった柳宗悦を中心に、染織の青田五良(1898−1935)、木工の黒田辰秋(たつあき)(1904−1982)らが京都・上賀茂に作った実験的工房。

  • 【青田五良】

    青田五良(1898−1935)は、 丹波下黒田村で機織を学ぶ。同志社中学の教諭を務めていたが、柳宗悦と知り合い、1927年に黒田辰秋らと上賀茂民藝教団を結成。

  • 【黒田辰秋】

    黒田辰秋(1904−1982)は、 木・漆工家。20歳のとき河井寛次郎と知り合い、柳宗悦(やなぎむねよし)のもとで民芸運動に参加するようになり、とくに李朝(りちょう)木工品や螺鈿(らでん)器に興味をもった。70年4月重要無形文化財「木工芸」保持者に認定。作風は木理の美を生かした単純・豪壮な器形、また絢爛(けんらん)たる螺鈿の加飾表現に特色があった。

  • 【富本憲吉】

    富本憲吉(1886−1963)は、陶芸家。東京美術学校図案科建築部を卒業。1908年(明治41)渡英、ロンドンの中央芸術学校に学ぶ。10年に帰国後、在日中のイギリス人陶芸家バーナード・リーチと親交を結び、以来しだいに陶芸の道に傾倒していった。大正期の工芸界にあって、白磁、染付(そめつけ)、色絵などの意匠・造形に意を注ぎ、とくに色絵磁器に新境地を切り開いた。49年(昭和24)京都市立美術大学の教授となり、55年には色絵磁器の重要無形文化財保持者に認定。61年文化勲章受章。

  • 【大正新教育運動】

    明治末から大正期を通じて展開された教育改革の理論的ならびに実践的な運動。明治中期にヘルバルト派教育理論が定着して支配的となった注入的・画一的な一斉教授に批判的な立場をもつ。児童の自発性の重視、個性の尊重、生活経験を通じての学習などをうたった諸説が提唱され、実践的に試みられたものもあった。

  • 【工芸】

    人間の日常生活において使用される道具類のうち、その材料・技巧・意匠によって美的効果を備えた物品、およびその製作の総称。もともと生活用具としての実用性を備えたもので、その点、彫刻や絵画と異なり、建築とともに応用芸術の一つとみなされる。工芸は材料によって多くの種類に分けられ、陶磁、金工、漆工(しっこう)、木工、竹工、ガラス、染織などの諸部門に分類される。

  • 【ゲーテ Johann Wolfgang von Goethe】

    ゲーテ(1749−1832)は、ドイツの詩人・小説家・劇作家。小説『若きウェルテルの悩み』などにより、シュトゥルム・ウント・ドラング(疾風怒濤(しっぷうどとう))運動の代表的存在となる。シラーとの交友の中でドイツ古典主義を確立。自然科学の研究にも業績をあげた。戯曲『ファウスト』、小説『ウィルヘルム‐マイスター』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩集『西東詩集』、自伝『詩と真実』など。

  • 【ルドルフ・シュタイナー Rudolf Steiner】

    ルドルフ・シュタイナー(1861−1925)は、ドイツの哲学者・教育思想家。ウィーン工科大学、ウィーン大学で哲学、心理学、医学などを学んだ。またワイマールでゲーテを研究し、自然科学的思考法と精神的直観の統合を追究、主著『自由の哲学』(1894)を生むことになった。1902年以降、“Anthropology”(「人智学(じんちがく)」を提唱した。

  • 【アルスシムラ】

    2013年に京都に開校された、染織家・志村ふくみ・洋子の芸術学校。自分で染めて、自分で織ることで染織の基本的な技術と志村の芸術精神を学ぶ場となっている。

  • 【紬織】

    屑繭または真綿に手で縒り(より)をかけて紡いだ太くて節の多い絹糸を紬糸という。その紬糸による平織り(縦横の糸を1本ずつ交差させて織っていく、最も基本的な織り方)の絹織物を指す。

  • 【絹】

    カイコの繭からとったフィブロイン(タンパク質の一種)を主成分とする長繊維。独特の美しい光沢をもつ。絹には家蚕絹(かさんけん)と、柞蚕(さくさん)糸や天蚕糸などの野生蚕糸を含む野蚕絹(やさんけん)があり、また家蚕絹には生糸と練絹がある。

  • 【媒染】

    染料が直接繊維に染着しないとき、繊維を媒染剤の溶液に浸して染料を固着させる染色法。

  • 【蚕】

    カイコガの幼虫。孵化(ふか)したては黒く小さいが、のちに体長7センチくらいの白い芋虫になる。桑の葉を食べ、4回ほど脱皮し、繭を作ってさなぎになる。繭から生糸がとれる。養蚕が全国に普及したのは近世以降。

  • 【藍】

    あい:日本では古くから藍を染料として大切に使ってきました。藍葉を発酵させた「すくも」を用いて藍建てします。藍甕の中の染液は毎月表情を変え、月の満ち欠けに沿って染める色は、月齢によって変化していきます。

  • 【茜】

    あかね:茜は古くから日本でも染料として用いられてきました。茜の根は薄い赤系統の色をしており、その根をたくさん使って染めます。染め上がった糸は、空をほのかに染めてゆく夕焼けや、燃える夕日のような色となります。

  • 【一位】

    いちい:初秋に橙赤色の実を付ける常緑針葉樹です。枝葉を炊き出した染液で、赤みのある鼠色や薄茶色、赤銅色に染まります。貴族が用いる笏(しゃく)の材料だったことから、位階「正一位(しょういちい)」に因んで名付けられました。

  • 【梅】

    うめ:早春、白・紅・薄紅色の花が咲き香ります。初夏になると実がなり黄色く熟します。梅の実は、梅干しや生薬として用いられ、花は観賞用として親しまれてきました。枝葉を炊いた染液で染めると、淡桃色や赤みがかった鼠色になります。

  • 【烏野豌豆】

    からすのえんどう:マメ科の野草で、秋に発芽し、春に小さなかわいらしい花を咲かせます。春先に道端や野原などで採集して染めた色は、春をたっぷりと蓄えたような透き通った淡い緑色になります。正式名称はヤハズエンドウです。

  • 【刈安】

    かりやす:夏から秋にかけて、山の斜面や野原に茂るススキの仲間で「近江刈安」が有名です。炊き出すとお茶のような甘い香りがします。椿灰汁で媒染することにより、青みのある黄色に染まり、藍を染め重ねると鮮やかな緑色となります。

  • 【葛】

    くず:夏になると道端に繁茂するマメ科で蔓(つる)性の植物です。奈良県国栖(くず)の地名に因み名付けられました。根は食用の葛粉、生薬の葛根(かっこん)として用いられます。蔓や葉を炊き出して染めると淡緑色になります。

  • 【臭木】

    くさぎ:林縁、河岸、石垣の隙間に生えることが多く、日陰にも耐える落葉小高木です。秋になると、星のかたちをした赤紫色のガクの中に青い実がなります。その実を集めて炊き出すと、無媒染でも鮮やかな空色に染まります。

  • 【梔子】

    くちなし:年の瀬も押し迫るころ、梔子の実は黄金色に熟します。その実を炊き出して染めると初々しい黄色になります。栗きんとんやたくあんなど食品に色をつける目的としても広く使用されています。媒染を必要としない染料です。

  • 【栗】

    くり:イガに包まれた栗の実は甘く、お菓子などの材料になり、秋の味覚として親しまれています。イガや枝葉を炊き出した染液は、栗の実の皮のような艶のある焦げ茶色で、染めた糸はあたたかみのある茶色や明るい薄茶色になります。

  • 【桜】

    さくら:桜は日本の春を代表する樹木で、万葉時代から鑑賞されてきました。幹や枝をじっくり炊き出した香り高い染液で染めると、桜の花びらのようなほのかな色となります。媒染によっては温かみのある鼠色にもなります。

  • 【百日紅】

    さるすべり:樹皮が滑らかなのでこの名前になりました。長期間鮮やかな紅色や白色の花が咲くことから、百日紅という漢字があてられています。枝葉を炊き出した染液はとろみのある茶色で、糸を染めると茶色味を帯びた灰色になります。

  • 【紫根】

    しこん:ムラサキという多年草の根は暗紫色をしており、その根をお湯の中に入れて揉みだした染液で染めます。椿の灰汁で媒染すると、高貴で艶やかな紫色になります。古代から染料や生薬として用いられてきた、稀少な植物です。

  • 【白樫】

    しらかし:江戸時代より日本では「四十八茶百鼠」と言われるように、様々な鼠色が親しまれてきました。染めあがりは澄んだ鼠色となります。どの染料とも相性が良く、他の色をきりっと際立たせてくれる名脇役でもあります。

  • 【蘇芳】

    すおう:インド、マレー諸島原産の樹木で、染料としては幹の芯を使います。正倉院にも蘇芳染めの献物箱が保存されています。媒染前は茶味がかった朱色ですが、媒染後は真紅、赤紫、濃い葡萄色など鮮烈な赤系統の色に変化します。

  • 【冬青】

    そよご:初夏に白い花が咲き、秋に小さな赤い実がなります。冬でも葉には光沢があり青々しく、濃緑色をしています。風にそよぎ、葉と葉が擦れあう音からこの名前になりました。枝葉を炊き出し、赤みのある薄茶色や茶色が染まります。

  • 【玉葱】

    たまねぎ:料理に使われる部位ではなく、パリパリした薄皮を鍋に入れて炊き出して染めます。茶、黄、金茶、赤茶、焦茶、カーキと、媒染によって数限りない色に染められます。身近で欠かせない染料です。藍色との色合わせは絶妙です。

  • 【団栗】

    どんぐり:どんぐりとはコナラ、ミズナラ、クヌギなどの果実の総称ですが、染色では主にクヌギを使います。秋の山道で沢山のどんぐりを拾い集めて染めた色は、秋を感じさせる温かみのある薄茶色や鼠色となります。

  • 【枇杷】

    びわ:濃い緑色をした枇杷の葉は、長い楕円形で裏に産毛があることが特徴です。冬に白い花を咲かせ、翌年の初夏になると楽器の琵琶に似た形の果実がなります。枝葉を炊き出した液で染めると、黄みのある淡桃色や鼠色になります。

  • 【紅花】

    べにばな:初夏に咲く花の色は、黄色から赤色に変化します。花びらは、薄紅色から鮮やかな紅色まで染まる染料として、古くから大切にされてきました。染料のほかにも、生薬、化粧品、食品の着色料、油として幅広く利用されています。

  • 【夜叉五倍子】

    やしゃぶし:陽当たりの良い土地を好む夜叉五倍子の実は、見た目以上にずっしりと重みがあります。その実を煮出した染液は、まるで黒糖のような深みのある黒茶色となり、染めあがった色も、こっくりとした深い色合いとなります。

  • 【蓬】

    よもぎ:生薬やよもぎ餅など食用として親しまれてきた多年草です。若い葉を摘んで炊き出し、その日のうちに染めます。春の生命力あふれる苦味のある香りに包まれながら染めた糸は、深みのある淡い緑色となります。