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志村ふくみの両親であった小野元澄・豊は、民藝運動を先導した柳宗悦、上加茂民芸協団を起こした青田五良、また作家の黒田辰秋、富本憲吉らと親交を結んでいました。やがて自ら理想的な教育を実践する場として、東京の成城小学校から教育者・谷騰を招き、滋賀県近江八幡の地に、県内唯一の私立小学校である昭和学園を設立しました。昭和学園では大正新教育運動の理念のもと、創造性や自主性を重視した教育がおこなわれました。1927年のことです。

  • 昭和学園

母・豊からの影響で染織の路に入ったふくみは、紬織を「工芸」から「芸術」へと昇華させ、独自の美の世界を創造しました。その娘・洋子は母と同じ染織の道に進みながらも、ゲーテやルドルフ・シュタイナーの思想と出会い、1989年にふくみと都機工房を設立後は、日本伝統の着物という枠を超え、「色」という普遍的な美を目指すようになりました。2013年4月、時代に対する危機意識の高まりとともに、社会に開かれた芸術教育の場をつくりたいという希望のもと、志村ふくみ、娘・洋子、そして孫・昌司を中心として、京都にアルスシムラが設立されました。今日に至るまで、アルスシムラにはその芸術精神に共感する多くの人々が全国から集まり、社会へと巣立っています。

2016年、新たにはじまったアトリエシムラの試みもこの流れを汲むものであり、88年前の昭和学園の設立に端を発しているともいえます。アトリエシムラは、時代を越えて受け継がれてきた思想の実践の場です。

  • 小野豊
  • 志村ふくみ(左)・志村洋子(右)